AWS Lambdaを使った外形監視

福岡拠点の野田です。
AWSを使ったサーバー構築が最近増えてきました。今回は、AWS Lambdaを使った外形監視の方法を紹介しようと思います。

AWS Lambdaは、軽量なアプリケーションを動作するときに活躍するサービスです。5分おきのバッチサービス、管理画面でのSSRサービスなど、 常に常駐しておく必要がないプログラムを動かすのに適しています。 今回紹介する監視系のバッチもLambdaと相性のよいアプリケーションの1つとして考えています。

AWS Lambdaを使った外形監視の作成を以下の手順ですすめていきます。

  1. 関数の作成
  2. 関数コードの作成
  3. トリガーの追加

関数の作成

「1から作成」を選択します。関数名は「check_http」のような名前を付けます。ランタイムは、javascriptサーバーの「node.js12.x」を選択して関数を作成します。

アクセス権限については、「基本的な Lambda アクセス権限で新しいロールを作成」を選ぶとAmazon CloudWatch Logsの権限が付与されるので、これを選びます。

関数コードの作成

index.jsに以下をコピペします。

[/crayon]

ページ末尾の環境変数に以下のような監視対象URLを指定します。

ENV_URL https://(監視対象URL)

トリガーの 追加

EventBridge(CloudWatchEvents)を追加します。
ルールは、新規ルールでルール名を「every5min」を指定します。ルールタイプはスケジュール式で以下を設定します。

説明: 5分毎
イベントバス: default
スケジュール式: cron(0/5 * * * ? *)

あとは、CloudWatch側で以下のようなアラートルールを設定することで監視完了です。

Lambdaはいろいろな使い方ができると思うので、引き続き使っていこうと思います。

[bug]マルチプロセスでlog4netのファイルローテーション時に一部ログが欠損して困った

福岡の香月です。

log4netのRollingFileAppenderを使って日付で出力ファイルが切り替わる設定をしていたところ、日付が変わって新しいファイルへの出力が始まると先頭に出力されるであろうログがなぜか出力されない現象に遭遇しました。
設定はこうです。
複数のプロセスで同じ設定を用いて、同じファイルに対してログ出力します。

[/crayon]

AppenderはRollingFileAppenderを指定しています。複数プロセスで使用するため、lockingModelはInterProcessLockを指定します。これによりファイルストリームを開きっぱなしにして、mutexで排他制御しながら末端にシークし書き込みを行うことで、複数プロセスから効率的にログ出力を行ってくれます。
複数プロセスから使う場合はこれ以外にもMinimalLockを指定できますが、書き込むたびにファイルのオープンクローズを実施するため速度が求められる場合は不向きでしょう。さらに複数プロセスからの出力が同時に走った場合、片方はオープンできないためログが出力されません。

この設定でビルドし、業務終わりにアプリを起動して一晩中実行させ、翌朝出社して確認しても日付が変わった後のログの内容が足りませんでした。
最初はlog4netの使い方が悪いのか、自分のプログラムにバグがあるのかさんざん悩んだんですがさっぱりわからない。トレース用に埋め込んだログも当然のように出ていないのでどうしたものかと思いました。

しかし、プロセスが1つの場合はちゃんと期待通りのログが出ていました。問題があるのは複数プロセスの場合だけだったのです。

そこでlog4netのロジックを確認することにしました。 幸いなことにソースはこちらから取得できます。
https://github.com/apache/logging-log4net
すると、ファイルが切り替わったあとは最後に書き込んだプロセスのログが先頭に来て、それ以前のログが破棄される作りになっていたのです。

少しずつソースを見てみましょう。今回使っているのはRollingFileAppenderです。日付が変わるときにファイルを切り替える部分は、RollOverTime()という関数であることがわかりました。こうなっています。
https://github.com/apache/logging-log4net/blob/master/src/Appender/RollingFileAppender.cs

[/crayon]

ふむふむ、SafeOpenFile()で新しいファイルをオープンしに行くわけね。そして第二引数がfalseと。そしてSaveOpenFile()の実態はベースクラスFileAppenderにありました。
https://github.com/apache/logging-log4net/blob/master/src/Appender/FileAppender.cs
ここから次の順番で呼び出されていきます。

  • RollingFileAppender.OpenFile()
  • FileAppender.OpenFile()
  • FileAppender.InterProcessLock.OpenFile()
  • FileAppender.LockingModelBase.CreateStream()
[/crayon]

ここでSafeOpenFile()の第二引数で指定されたfalseは、CreateStreamのappendに代入されていることがわかりました。この場合FileMode.Createが指定され、FileStreamインスタンスが作成されます。
ではこのFileMode.Createはどのような動きをするかというと、

オペレーティング システムが新しいファイルを作成することを指定します。ファイルが既に存在する場合は上書きされます。これには Write 許可が必要です。
FileMode.Create は、ファイルが存在しない場合は CreateNew を使用した要求、ファイルが存在する場合は Truncate を使用した要求と等価です。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/api/system.io.filemode?view=netcore-3.1

複数のプロセスでログ出力を行う場合、FileStreamを最後に作成するプロセスによりそれまでのプロセスが作成したログファイルの中身がTruncateされて、つまり削除されてしまうわけです。
発生している現象とも合致するのでこれが問題であることを確信しました。

対応するためにはRollingFileAppender.RollOverTime()から呼んでるSafeOpenFile()の第二引数をtrueに知ればよいわけです。実際に修正して確認してみると、見事欠損することなく必要なログが出力されていました。
めでたしめでたし。

なお、SafeOpenFile()はRollingFileAppender.RollOverSize()内からも呼び出しているのでここも忘れずにtrueに変更しましょう。

S3+CloudFront+Route 53を使った静的コンテンツ配信 Part 2 (lambda@edge編)

福岡拠点の野田です。

前回、S3を使った静的コンテンツ配信を実現しましたが、ちょっとカッコ悪い点がありました。

ドメイン直下については、 Default Root Object 設定すると https://サイト名/でアクセスしたときindex.html を参照するようにできます。ただし、サブディレクトリ配下はDefault Root Objectの設定が効きません。サブディレクトリ配下で/news/とアクセスしたとき、/news/index.htmlを参照するためにはlambda@edgeを使う必要があります。

/で終わるuriの場合に/index.htmlを参照する設定について、今回は以下の流れで設定を行います。

  1. lambdaを追加
  2. CloudFrontで使えるようにIAMを修正
  3. lambdaにトリガーを追加し、CloudFrontと関連付け

lambdaを追加

リージョンus-east-1のlambda画面から関数を追加します。ほかのリージョンではCloudFrontへのトリガーを作成できないため、正しいリージョンが選択されているか確認してください。

https://console.aws.amazon.com/lambda/home?region=us-east-1

lambdaは1から作る形で進めます。

・関数名:subdir-redirect (適宜適当な名前を設定してください)
・ランタイム:nodejs (バージョンはデフォルトでOK)
・アクセス権限:AWSポリシーテンプレートから新しいロールを作成
・ロール名:cloudfront-lambda (適宜適当な名前を設定してください)
・ポリシーテンプレート:基本的なlambda@edgeのアクセス権限

関数詳細ページが表示されるので、関数コードに以下を追加します。

[/crayon]

画面右上の「保存」を押下してコードを保存します。

CloudFrontで使えるようにIAMを修正

そのままでは使うことができないため、関数詳細ページ「アクセス権限」のタブを選択します。実行ロール「 cloudfront-lambda 」を編集し、末尾の「 IAM コンソールで cloudfront-lambda ロールを表示します。」のリンクをクリックします。

ロールの詳細ページから「信頼関係」のタブをクリックします。「信頼関係の編集」ボタンを押下して、以下のようにedgelambdaの設定を追加します。

[/crayon]

これにより信頼されたエンティティにedgelambdaが追加されます。

信頼されたエンティティ
ID プロバイダー lambda.amazonaws.com
ID プロバイダー edgelambda.amazonaws.com

続いて「アクセス権限」のタブに再度戻ります。+インラインポリシーの追加から以下のポリシーを追加します。

  • Lambda: GetFunction, EnableReplication (対象リソースは、先ほど登録したsubdir-redirect lambda のARNを指定)
  • IAM: CreateServiceLinkedRole(対象リソースはすべて)
  • CloudFront: UpdateDistribution(対象リソースは、展開するCloudFrontのARNを指定)

ここまでやってようやくlambda@edgeが使えるようになります。

lambdaにトリガーを追加し、CloudFrontと関連付け

仕上げにlambdaの関数詳細画面に戻ります。画面上の「アクション」から新しいバージョンを発行します。コメントは必要あれば適宜入力してください。

そののちにデザイナーから「トリガー」を追加します。トリガーの種類は、CloudFrontを選択します。ここでCloudFrontが選択できない場合はlambdaのリージョンが間違っていますので、最初からやり直してください。設定はデフォルトのままで以下のチェックボックスにチェックを入れます。

[/crayon]

追加ボタンを押下するとCloudFrontへの更新が入ります。Distributionの更新が終わるまでしばし待つと、晴れてサブディレクトリのリダイレクト処理を利用することができるようになります。

まとめ

lambdaというと単機能のAPIや軽量サーバーとして使うイメージが強いですが、実はいろいろなところに組み込めます。lambda@edgeを利用することでCloudFrontに対してヘッダーのカスタマイズ、 BASIC認証など多岐にわたって処理を組み込むことができます。静的コンテンツに対してちょっとした動的処理を行いたいな、というときはlambda@edgeの出番です。是非ご活用いただければと思います。

面倒なところもありますが、ひと手間かけるといろいろなことができるのがAWSの良いところ。いろいろエンジニアとしていろいろHackしていければと思います。

S3+CloudFront+Route 53を使った静的コンテンツ配信

福岡拠点の野田です。

WordPressで運用していた個人サイトをメンテしなくなったので、S3とCloudFrontとRoute 53を使って静的コンテンツ配信方式に切り替えてみました。手順の大きな流れは以下のようになります。

  1. S3にコンテンツを配置
  2. CloudFrontを設定
  3. Route53でCloudFrontへ振り分け

S3 にコンテンツを配置

まずは、wget で既存サイトを取得します。

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日本向けに配信することを考え、 S3 の東京リージョンにて新規バケットを作成して、上記取得したファイルを配置します。

S3における設定ですが、アクセス権限の設定を行います。静的コンテンツとして公開するため、以下のバケットポリシーのブロックをオフにすることで外部からのアクセスを行えるようにします。

  • 新規のパブリックバケットポリシーまたはアクセスポイントポリシーを介して付与されたバケットとオブジェクトへのパブリックアクセスをブロックするオフ
  • 任意のパブリックバケットポリシーまたはアクセスポイントポリシーを介したバケットとオブジェクトへのパブリックアクセスとクロスアカウントアクセスをブロックするオフ

バケットポリシーは、以下のようなCloudFrontからの接続を許可する設定を行いますが、CloudFront側から設定ができるため、ひとまずスキップで大丈夫です。

[/crayon]

CloudFrontを設定

Create DistributionでCDNを新規作成します。

  1. Web/RTMPの選択でWebを選択
  2. Origin Domain NameにS3のバケットを選択
  3. Origin Pathは空欄でOK
  4. Origin IDは任意のIDを設定(S3-バケット名みたいな感じで設定しました)
  5. Restrict Bucket Accessは、YES
  6. Origin Access Identityは、 Create a New Identity。
  7. Grant Read Permissions on Bucketは Yes, Update Bucket Policy (これが先ほどのS3バケットポリシーに反映されますので、一応S3側でも設定されているか確認)
  8. Viewer Protocol Policyは、Redirect HTTP to HTTPS (httpからhttpsリダイレクト)
  9. Allowed HTTP Methodsは、GET/HEADのみで対応(CORSを考えるとOPTIONSまでやってもいいかもしれません)
  10. Compress Objects Automaticallyは、true(圧縮化。転送量削減)
  11. Price Classはベストパフォーマンス
  12. AWS WAF Web ACLは、None
  13. Alternate Domain Namesは割り当てるドメイン名を改行区切りで入力。
  14. 証明書については、独自ドメインで割り当てる場合、ACMに登録したものを選択。
  15. 残りはデフォルトで登録

Distribution作成後、 GeneralタブでEditボタンを押下して、以下を設定します。

  1. Default Root Objectにindex.htmlを設定

続いて Restrictionsタブを選択して、GeoRestrictionをEditします。

今回は、日本のみを対象とします。全世界を対象とするとコストと直結します。1日1000円以上かかってもいい!どんな攻撃もどんとこい!という方以外は、対象を絞ったほうが良いと思います(私もこれで当初1日放置して1000円かかってしまい冷や汗、急遽制限を追加しました)。

Route53でCloudFrontへ振り分け

仕上げにRoute53からCloudFrontへ振り分けします。A(IPv4アドレス)およびAAAA(IPv6アドレス)のエイリアス指定でCloudFrontにつなげることができます。

まとめ

Cloudは設定をミスると高額な請求が発生してしまうリスクはありますが、うまく使えば個人で使っても安く運用することができます。最近では予算設定や請求が高額になりそうなときにアラートも出せる機能もありますので、そうしたものを組み合わせて、安全に運用すると良いと思います。先月からの運用の感じだとアクセス数次第なところがありますが、100円~300円/月ぐらいで運用できそうな感じでした。

初心者にはおすすめはしませんが、興味ある方は是非チャレンジしてみてください。

何度も同じフォーマットをコピペして編集したくない人の為に

沖縄拠点の久保田です。

何度も同じフォーマットをコピペして編集したくない人向けのテクニックを紹介したいと思います。

用意するソフトウェアは以下となります。

■必要な環境
Microsoft Excel 2016

まずは完成形から見ていきましょう。

※完成図

  1. [@雛形]セルの1つ下のセルに雛形を書きます。置き換えた対象となる部分に[@01]や[@02]のように設定します。
  2. [@値]セルの1つ下のセルに雛形で使用するパラメータ[@01]や[@02]を設定します。行を増やしながら埋め込みたい値を設定します。
  3. [実行]ボタンを押下後、クリップボードに出力結果が設定されます。

■クリップボードへの出力結果

[/crayon]

こんな感じのツールです。

何故このツールを作ろうと思ったのか

何故このツールを作ろうと思った経緯ですが、getter や setter を大量に半手動で作らないといけない事があり(今では便利なプラグインがあるのですが、)さらに、コメントも決まったフォーマットで書かないといけないという事がありました。

この時はインターネットにも接続できない環境で、必要なプラグインの入手までに時間がかかりました。(プラグインやツールの申請に1週間程かかりました)

例えば↓のような場合です。

[/crayon]

あー、もうこんなの手動で書くなんて信じられませんね。

getter, setter までは自動で出力してくれますが、コメントの形式までプロジェクトで決められていて、IDEの内包ツールではそこまで対応していませんでした。
手動でなんてやってたら時間かかるしミスは出るしで良い事なんて1つもありません。

そこで限られた環境で効率化を図る事にしたのです。

実際に作ってみよう

と、いうわけでここからは本ツールの作成方法を書きたいと思います。

※[開発]タブを使用しますので、表示されていない方は 、[ファイル] → [オプション] → [リボンのユーザー設定] の[リボンのユーザ設定]の[開発]チェックボックスをオンにして、事前に [開発]タブ を表示して下さい。

まず、下のような感じでシートを作成します。

[開発]タブ → 挿入 → フォームコントロール[ボタン]を選択して、任意の場所にボタンを配置します。

ボタンを配置するとマクロの登録画面になりますので、何も変更せず[新規作成]ボタンを押して下さい。

[ Visual Basic Editor ]が起動しますので、以下のソースを貼り付けて保存して下さい。
私の環境では Subプロシージャ [ボタン10_Click()]ですので、自身の環境に合わせて修正して下さい。

[/crayon]

[ Visual Basic Editor ] 画面 を閉じます。
では、先ほど配置したボタンを押してみましょう。メッセージボックスに「実行結果をクリップボードへコピーしました。」と表示されれば完成です。テキストエディター等に貼り付けして出力結果を確認して下さい。

■メモ帳に貼り付け結果

シートをコピーして増やすことで、雛形を多数準備する事も可能です。

作成にはVBAの知識が少し必要ですが、[マクロの記録]で必要なコードを収集しながら作成する事も可能ですので、是非VBAを使っていろいろ作成してみて下さい。

便利な使い方

便利な使い方をするには、まずインプットデータを本ツールにあまり加工せずに貼り付けできる状態が好ましいです。

例えばテーブル定義書です。

テーブル定義書のカラムの 物理名と論理名を使用して、コードとコメントを書く時に役に立ったりします。

エクセルなので当然セル内に関数を埋めこんだり、別シートのセルを参照したりできるわけで、それだけでも利用方法が広がると思います。

いろいろ工夫して使ってみて下さい。

<免責事項と注意事項>

本ページの内容について

  • 発生した一切の損害(機会の損失、結果的損害等を含む)について、いかなる責任も負いません。
  • ご利用は各個人での私的な使用に限るものとし、商用又は、営利を目的として、また公共の場での使用を一切禁止します。

さくらクラウドVPCルータ(サイト間VPN)とOpenVPNを利用したVPN拠点の構築

昨今、コロナ禍により業務を遂行するにあたり、テレワークを余儀なくされてます。

社内のNASやら、運用・保守業務で「IPアドレス制限されている」サーバにアクセスするために、会社ルータ(RTX-1210)にVPN接続をすることが多々発生しています。

そうした中、RTX-1210にVPN(L2TP)接続ができないというスタッフが続々と発生するという問題が顕著化しました。(以前よりそういった問題がちょくちょくありましたが、特に業務への影響は軽微であったことから、放置していました。)

ログ、コンフィグなどを見直して、ある程度あたりはつけましたが、業務に影響がでるかもしれない作業を実施する時間的余裕もないのと、本当にそれで問題が解消する保証もないのと、別件で使ってる拠点間接続だと、通信が安定しているという事もあり、 外部にVPNサーバを立てて、そいつと、会社のRTX-1210を拠点間接続でつないでしまえばいいのじゃなかろうかと思い立ったが吉事。さっそくやってみました。

さくらクラウドのVPCルータにもVPN(L2TP)サービスがあるので、最初これが使えるか?と試したのですが、VPCルータから全パケットを拠点間接続の接続先に転送するルーティングを入れると、VPN(L2TP)サービスに接続できなくなってしまうという問題(というかあたりまえなんですが。。)があり、以下のようなネットワークを作ってみました。

簡単に説明すると、さくらVPCルータを拠点間接続だけに利用して、VPNサーバは別にサーバを立てて、VPNクライアントから接続されたパケットはすべて、VPCルータ経由・拠点間VPN接続を得て会社のRTX-1210から出ていくルーティングを設定するというものです。

つまり、以下のような通信ラインを確保しようという試みです。

以下構築の手順メモ

OpenVPNを設定する

【設定前提情報】

ローカルスイッチネットワーク情報: 192.168.100.0/23
接続先スイッチ: local-switch(1)
サーバのNetwork: eth0 (Global側) 30.30.30.1
サーバのNetwork: eth1 (Loal側) 192.168.100.2
OS: CentOS 7.6

【手順】

STEP1) 必要パッケージをインストールする

STEP2) 各種設定準備を行う
※パスワード、CAのcommonnameは好きな値を設定の事

STEP3) server_r.confの設定を行う

デフォルト値から以下を変更する

STEP4) net.ipv4.ip_forward の設定を行う

STEP5) iptablesの設定を行う

※ボールドの部分がポイント

STEP6) OpenVPN起動

STEP7) ルーティングの設定


※このルーティングがポイント(10.8.0.0/24からのパケットは全部、192.168.100.1へルーティングするという内容を用意する)

STEP7) ルーティングの永続化

※設定方法確認中
 とりあえずいまは起動時にスクリプトで実行させておく。

STEP8) クライアントで利用するcert / keyは以下ファイルを利用する

/etc/openvpn/easy-rsa/pki/ca.crt
/etc/openvpn/ta.key
/etc/openvpn/easy-rsa/pki/issued/client1.crt
/etc/openvpn/easy-rsa/pki/private/client1.key

.ovpnファイルを作ると接続設定するのが楽になります。
以下のようなファイルを作る

さくらクラウド VPCを利用した「拠点間VPN接続」の設定を行う。

さくらクラウドVPCの設定を行う

■さくらクラウド ネットワーク情報

【設定前提情報】
ローカルスイッチネットワーク情報: 192.168.100.0/23
接続先スイッチ: local-switch(1)
VPCルーター(インターフェース:プライベート1)に割り当てるIP: 192.168.100.1
対向IPアドレス: 10.10.10.1
対向ID: 192.168.100.1
Pre Shared Secret: unko123
対向Prefix: 0.0.0.0/0
ローカルPrefix: 192.168.100.0/23

【手順】

STEP1) VPCルーターを追加する
    プラン: スタンダード
    インターネット接続: 有効
    そのほかの項目は任意で入力する
    
STEP2) VPCルーターのインターフェースの設定
    スイッチ: 既存スイッチを接続
    接続先スイッチ: local-switch(1)
    IPアドレス: 192.168.100.1
    プレフィックス: /23

STEP3) サイト間VPNの設定
    対向IPアドレス: 10.10.10.1
    対向ID: 192.168.100.1
    Pre Shared Secret: unko123
    対向Prefix: 0.0.0.0/0
    ローカルPrefix: 192.168.100.0/23

STEP4) 「反映」を行う

RTX-1210側の設定を行う

【設定前提情報】
■RTX-1210ネットワーク情報
Global-IP:  10.10.10.1
LAN-IP: 172.16.100.1 (NetworkAddress: 172.16.100.0/23)
■さくらクラウド VPC(サイト間VPN設定情報)
Global-IP: 20.20.20.1
対向IPアドレス: 10.10.10.1
対向ID: 192.168.100.1
Pre Shared Secret: unko123
対向Prefix: 0.0.0.0/0
ローカルPrefix: 192.168.100.0/23

【手順】

★RTX-1210側への設定手順
参考: https://knowledge.sakura.ad.jp/7051/

1) RTX-1210のGUIツールにて、拠点間VPNの設定を行う。 (簡単設定→VPN→拠点間接続)
 接続種別の選択: IPSec
 ネットワーク環境: 自分側と接続先の両方とも固定のグローバルアドレスまたはネットボランチDNSホスト名を持っている
 自分側の設定(設定名): SAKURA VPN
 接続先の情報(接続先のホスト名またはIPアドレス): 10.10.10.1
接続先と合わせる設定(認証鍵 (pre-shared key)): unko123
接続先と合わせる設定(認証アルゴリズム): HMAC-SHA
接続先と合わせる設定(暗号アルゴリズム): AES-CBC
 経路に関する設定: 接続先のLAN側のアドレス
192.168.100.0 / 255.255.254.0(23bit)
10.8.0.0 / 255.255.254.0(24bit)
2) CONFIGを取得して、「description tunnel “SAKURA VPN”」の設定部分を探して、設定情報を変更する

※例えば、

であった場合、以下のような設定情報を作成。

これを、RTX-1210の「コマンド実行」で実行する。

以上

C#でWOL(Wake-on-LAN)

福岡の香月です。

コロナ対応で世の中はリモートワークが進んでいるようです。中程度スペックの中古PCもたくさん売れているようで、在庫が少なくなっているようですね。

自宅作業する場合、会社のPCにリモートデスクトップでつないで作業することも多いと思いますが、気付いたらPCがシャットダウンしていることがあります。間違って電源切ったとか、夜中にWindows Updateが動いたとか。

そんな時はWOL(Wake-on-LAN)ですが、私はこれについて知識が無かったので調べがてらC#プログラムのWOLツールを作ってみました。プラットフォームは.Net Core 3.1です。
以下全文です。どん!

[/crayon]

特徴

  • マジックパケットを飛ばします。マジックパケットとは…
    • UDPで送信するパケット
    • 先頭6バイトに{ 0xFF, 0xFF, 0xFF, 0xFF, 0xFF, 0xFF }
    • 続けて対象PCのmacアドレスを16回
    • 合わせて102バイトのパケットとなる。
  • exeと同じ名前のiniファイルを設定ファイルとして読み込む
  • 設定ファイルにて以下を設定
    • host=対象PCのIPアドレス
    • post=UDPポート(ルータが許可したポートであれば何でもOK)
    • macアドレス=対象PCのmacアドレス
  • エラーが発生した場合はコンソール上にエラーを表示

プログラムは案外簡単でびっくりしました。
それよりもWOLが使える環境の設定が大変そうですね。BIOS、ネットワークカード、Windowsの設定など、情報はぐぐればいろいろ出てきますので一度お試しあれ。

Swagger-PHPでOA\PathItem()エラー

福岡拠点の野田です。
OpenAPI(Swagger)の仕様書を使っていますか?

PHPでは、アノテーションでOpenAPIを定義できるSwagger-PHPというものがあります。使うためには以下を実行します。

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対象のコントローラーを指定するとアノテーションで記載したコメントがAPI仕様書になるという素晴らしいライブラリです。swagger.ymlの書き出し方は、以下。

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ここで少しはまりどころがあります。
OA\Infoを定義したクラスには必ずOA\GetやOA\PutといったAPIをセットで定義しなければなりません。それをしないと以下のエラーで怒られます。

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ちょー分かりにくいエラーなので、私もはまりました。そんなときは汎用エラーレスポンスでも定義してしのぎましょう。

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これはライブラリ側でなんとかしてほしかったところではありますが、めげずにswaggerを使っていきましょう。

それでは、また!

nuxt.js環境を構築する

福岡拠点の野田です。

サーバーサイドでレンダリングするSSR(Server Side Rendering)を次の案件で使うことにしました。API側は慣れ親しんだLaravel。

最初に悩むのが環境構築。
どうしようか、というところで参考にしたのが、次の記事。

LaravelとNuxt.jsを同一レポジトリで管理するときの構成https://www.wantedly.com/companies/roxx/post_articles/84615

client フォルダ以下に環境を作る例ですが、とても参考になりました。以下おっかけになりますが手順になります。

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nuxtは起動フォルダ配下に.nuxtという一時ファイルを作成します。このため設定ファイルをclient以下に配置して、このフォルダを起動フォルダとします。

設定ファイル (nuxt.config.js)

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起動シェル(再起動シェル)は以下のような感じで作ります。

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ちなみにecho “” | はjenkinsから呼び出したとき、標準入力を要求されたので、それ対策で入れています。

このシェルを実行することでnuxt.jsサーバーが起動します。

nuxtは素のvueでやるよりも以下の点で優れていると思います。

  • 自動でルーティングしてくれる。
  • レイアウト機構を持っている。
  • API連携の仕組みも実装しやすい形で持っている。

VueやReactやAngularは、マイクロサービスをつなげる糊の役割をしているフレームワークだと思います。これからもっと深く使っていきたいと思います。

JQコマンドをおぼえた

福岡拠点の野田です。久しぶりの投稿です。

ある案件でAWSを扱っており、ELBからインスタンスが切り離されたか確認してほしいと連絡がありました。生憎、AWS Consoleへの接続アカウントをもらっていない状態で調べられない…と思ったのですが、aws-cliがインストールされてあるサーバーがあることに気づき、そちらで確認してみました。

ELBの一覧を表示するコマンドは以下のようなものになります。

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けれども、awsのコマンドで出てくる内容はjsonで縦に長い!必要な情報だけに整理したいときに役立つのがjq(恐らくjson queryの略)コマンドになります。jsonの中からDNSNameと紐づくインスタンスを見たい場合は、以下のようなクエリをjqに投げます。

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jqコマンドの基本は、配列のフィルターと生成。.から始まる要素がフィルターされる内容になります。{}や[]で配列を再構築します。詳しいやり方は以下をご参考ください。

https://dev.classmethod.jp/tool/jq-manual-japanese-translation-roughly/

すぐれものなのは、jsonからcsvを作れること。以下のような感じでフィルターと配列の再構築を利用すれば、@csvでcsvの作成も楽々です。

[/crayon]

zabbixと連携させたりとか、 レポート出力を簡易化できないかとか夢が広がりますよね?是非、jqを使ってより良いjsonライフを!