Linux学習についてのまとめ 04        リポジトリとパッケージ

こんにちは。22年度入社の中島です。

前回はLinuC101試験に向けての学習の一環として、ファイルシステムについての記事を作成しました。今回はリポジトリとパッケージについての内容をまとめました。この記事を通じて、リポジトリとパッケージの基本的な内容、設定に使用される一部コマンドをまとめましたので共有します。

リポジトリとは?

リポジトリは、ソフトウェアパッケージを保管し、管理する場所です。リポジトリを利用すると、ソフトウェアを簡単に検索・インストールできます。多くのLinuxディストリビューションでは、公式リポジトリが提供されており、信頼性の高いソフトウェアを利用できます。

リポジトリの種類

  • 公式リポジトリ: ディストリビューション提供元が管理する信頼性の高いリポジトリ (例: Ubuntuのmain, universe)。
  • サードパーティリポジトリ: 外部の開発者や組織が提供するリポジトリ(例: EPEL, PPA)。公式リポジトリにはないソフトウェアが含まれることがあります。
  • ローカルリポジトリ: ネットワークを使わず、ローカルで管理されるリポジトリ。

パッケージ管理システム

Linuxでは、ディストリビューションごとに異なるパッケージ管理システムが使われます。以下は主要なパッケージ管理システムです。

ディストリビューションパッケージ管理システム
Debian系 (Ubuntu等)APT (dpkg)
Red Hat系 (RHEL, CentOS等)YUM / DNF(rpm)
Arch系Pacman

パッケージのインストール・削除

APTを使ったパッケージ管理(Debian系)

パッケージのインストール

これにより、システムにvimがインストールされ、vimコマンドでエディタを開けるようになります。

パッケージの一覧表示

このコマンドを使用すると、現在インストールされているすべてのパッケージを確認できます。

パッケージの削除

removeはソフトウェア本体のみを削除し、purgeは関連する設定ファイルも含めて削除します。

YUM/ DNF(rpm)を使ったパッケージ管理(Red Hat系)

yumとdnfの違いについて

yum(Yellowdog Updater, Modified)は、Red Hat系のディストリビューション(RHEL, CentOS, Fedoraなど)で長年使用されてきたパッケージ管理ツールです。
dnf(Dandified YUM)は、yumの後継として開発され、yumよりも高速でメモリ使用量が少なく、依存関係の処理が改善されたパッケージ管理ツールです。

 yum の基本的なコマンドは dnf でも使えますが、一部オプションが異なります。また、新しい環境では dnfを使うのが推奨されます。

パッケージのインストール

yumまたはdnfを使用すると、依存関係も解決して自動的に関連パッケージをインストールしてくれます。

パッケージの一覧表示

このコマンドを使用すると、現在インストールされているパッケージのリストを取得できます。

パッケージの削除

このコマンドを実行すると、指定したパッケージが削除されます。YUM/DNFは依存関係の整理も行うため、注意が必要です。

パッケージの検索

APTを使った検索(Debian系)

パッケージ名を検索

searchを使うことで、vimという名前を含むすべてのパッケージを検索できます。

パッケージ内のファイル検索

このコマンドを使うと、/usr/bin/vimを提供しているかを調べることができます。

インストール済みのパッケージを確認

このコマンドは、インストール済みのパッケージ一覧を表示し、 grepで特定のパッケージを検索できます。

YUM/DNFを使った検索(Red Hat系)

特定のファイルを含むパッケージを検索

searchを使用すると、指定したキーワードに関連するすべてのパッケージを一覧表示できます。

パッケージ内のファイル検索

providesを使用すると、特定のファイルがどのパッケージに含まれているかを調べることができます。

インストール済みのパッケージを確認

このコマンドを使用すると、システムにインストール済みのパッケージを確認できます。

リポジトリの追加と管理

リポジトリを追加することで、公式リポジトリにはないソフトウェアをインストールできるようになります。

APTでリポジトリを追加する(PPAの例)
YUM / DNFでリポジトリを追加する(EPELの例)

EPELはRed Hat系の拡張リポジトリで、多くの追加パッケージが含まれています。

おわりに

今回の記事では、リポジトリとパッケージ管理の基本についてまとめました。Linuxのパッケージ管理はシステムの運用に欠かせない重要な知識です。リポジトリの理解と適切なパッケージ管理を行うことで、安全で効率的な環境を構築できます。

LinuC 101試験に向けて、基本的なコマンドをしっかりと身につけ、試験に備えたいと思います。

今回はここまで
最後までご覧いただきありがとうございました!

2025年 新入社員ブログ 高田06 [MySQLバックアップ・リストア方法まとめ]

こんにちは、2024年4月に入社した高田です。
入社してから数ヶ月が経ち、社内研修を終えて、少しずつ実際の業務に携わるようになりました。最近は、実務の単体試験の一環としてMySQLのデータベース操作を行う機会があり、その中でデータベースおよびテーブルのバックアップとリストアを行いました。
今回は、MySQLのバックアップ・リストア方法について、手順やポイントを説明します。

MySQLのバックアップ方法

1. 単一のデータベースをバックアップ

以下のコマンドを使用すると、特定のデータベース全体をバックアップできます。
なお、「-h ホスト名」は、リモートサーバーに接続する場合に指定します。ホスト名が「localhost」の場合は、-h localhost を省略してもデフォルトで「localhost」に接続されます。


2. 特定のテーブルをバックアップ

特定のデータベース内の一部のテーブルのみをバックアップしたい場合は、以下のコマンドを使用します。


MySQLのリストア方法

バックアップファイルから特定のデータベースにデータをリストアする場合、バックアップファイルが単一のデータベース全体であっても、複数のテーブルを含む場合であっても、以下のコマンドでリストアできます。「-h ホスト名」については、バックアップ時と同様です。ホスト名が 「localhost」の場合は、省略してもデフォルトで「localhost」に接続されます。


実例

社内研修で使用した「laravelDB」というデータベースを使ってデータベースおよびテーブルのバックアップとリストアを実施します。
「laravelDB」データベースは「users」テーブルと「prefectures」テーブルの2つのテーブルを含んでいます。

データベースのバックアップ・リストア手順

1. データベースのバックアップ


2. リストア用のデータベース作成


3. データベースのリストア


以上の3ステップを実行すると、「laravelDB」データベースのバックアップデータを使用して、「laravelDB_restore」データベースに復元できます。復元後のデータベースには、バックアップ時点のデータやテーブル構造が再現されていることを確認できます。

テーブルのバックアップ・リストア手順

1. テーブルのバックアップ

2. リストア用のデータベース作成

3. テーブルのリストア


以上の3ステップを実行すると、「users」テーブルと「prefectures」テーブルのバックアップデータを作成し、新しく作成した「laravelDB_restore_tables」データベースに復元できます。データベース全体ではなく、特定のテーブルのみを対象としてバックアップ・リストアを行うため、復元後のデータベースにはバックアップしたテーブルのみが含まれ、それ以外のテーブルは存在しません。

まとめ

今回は、MySQLの基本的なバックアップおよびリストア手順について学びました。研修では、SELECT文、UPDATE文、DELETE文、CREATE文の使用方法を中心に学習しましたが、バックアップやリストアもコマンドを使用することで手軽に実行できると知りました。
本番環境のデータを扱う際には、事前にバックアップを取得し、万が一のトラブル時にも迅速にデータをリストアできるよう備えておくことが重要だと思いますので、今回学習した知識や技術をしっかりと整理し、必要なときに迅速に活用できるようにしていきたいと思います。

2025年 新入社員ブログ 高田05 [ローカル環境構築の利点と感想]

こんにちは、2024年4月に入社した高田です。
社内研修で Laravel を使用して会員登録フォームを作成しました。その際、ローカル環境は Docker を用いましたが、別の方法でも環境構築を試してみたかったため、Vagrant を使って同じ構成のローカル環境を構築しました。
今回は、ローカル環境構築における利点と、DockerやVagrantを学んだ感想について紹介したいと思います。

ローカル環境構築の利点

1. プログラムの動作確認が手軽に行える

Laravel を使って開発を進めるには、PHP や Web サーバー(Apache など)が動作する環境が必要ですが、一般的なWindows PCにはPHP や Web サーバーはインストールされていません。作成したプログラムを動かすには別途Webサーバーを用意し、Webサーバーにプログラムファイルをアップロードする必要があります。
しかし、Webサーバー用のPCを新たに用意するのは場所や費用の問題もあるので難しい場合があります。このような課題は、ローカル環境を導入することで解決できます。
ローカル環境を導入すると、自分のPC がサーバーとして動作するような状態となるため、新たにWebサーバー用のPCを用意する必要がありません。
また、同一PC内でWebサーバーが動作する形となるため、設定次第でWebサーバーにプログラムファイルをアップロードする手間を省くことができます。
ローカル環境を導入することにより、修正や確認のサイクルが短縮され、プログラム開発効率が大幅に向上します。

2. ローカル環境構築を通じたインストールと設定の習得

ローカル環境を構築する過程で、以下のようなWebアプリケーションを動かすための各種ソフトウェアについて、インストール方法や設定方法を学ぶことができました。
・PHP
・Web サーバー(Apache)
・データベース
具体的には、PHP を Web サーバーと連携させる仕組みや、MySQL などのデータベースとアプリケーションを接続する方法を学びました。コマンドでインストールを行うため、コマンドの使用方法についても復習出来ました。

3. 実務での開発安定化

ローカル環境を持たず、1つの開発サーバー上のファイルを複数人で直接編集すると、以下のようなトラブルが発生することがあります。
・他人が編集していることに気付かずにファイルを上書きしてしまう可能性がある
・誰がどの変更を加えたのか把握しにくくなる
ローカル環境を構築することで、上記のようなトラブルを防ぐことができます。結果として、安定した開発が可能になります。

Docker・Vagrant を学んだ感想

1. Linux、ネットワークの知識が必須

Docker や Vagrant を学ぶ上で、Linux やネットワークに関する基礎知識は不可欠だと感じました。基礎知識があることで、環境構築の全体像を把握しやすくなり、作業を効率的に進められます。さらに、エラーが発生した際や情報を検索する際も、技術記事の内容をスムーズに理解できるようになります。
一方で、Linux やネットワークの知識が不足していると、設定やエラー対応に時間がかかり、調べた情報を十分に活用できず、環境構築が思うように進まないことがあります。

2. 初心者が使用する場合はVagrantの方が簡単

Vagrantを使った環境構築は、手順がシンプルで初心者でも取り組みやすいと感じました。特に、Vagrantfileの記述だけで仮想マシンを構築できる点が大きな利点です。
仮想環境を使う場合、ホストOS(自分のPC)と仮想環境(VagrantやDockerなど)の間でファイルを共有するための仕組みとして「マウント」があります。マウントを設定すると、ホスト側で編集したファイルが仮想環境内にも反映されるため、設定が重要です。
ただし、Vagrantでマウントを設定する際、意図したとおりに機能しないことが多く、調べながら試行錯誤する必要がありました。初心者にとっては設定の難しさがハードルになりやすいと感じました。
Dockerを使用する場合、Dockerfileに加えて複数のコンテナを管理するためのdocker-compose.ymlファイルも必要になります。コンテナの仕組みや設定ファイルの記述方法を理解する必要があり、環境構築の経験が少ない初心者にとっては難易度が高いと感じました。
環境構築のしやすさを考えると、Vagrantの方が初心者には導入しやすく、理解しやすいと感じました。

まとめ

今回は、ローカル環境構築の利点と、DockerやVagrantを学んで感じたことを紹介しました。社内研修用に作成したローカル環境ですが、今後は実務でも新たにローカル環境を構築する機会が増えると考えています。
実務では、単にローカル環境を構築するだけでなく、メンバー間での手順やローカル環境ファイルの共有方法、複数人で進める際の利点にも注目しながら活用していきたいと考えています。

テストの基本の”き”をおさえよう!

’23年度入社の紙屋です!
本年度は単体テストに対して理解を深め、成果物のクオリティを担保するという点を目標の一つとして業務に取り組んでまいりました。
リリース前にテストを行い、早期に不具合を発見することもできましたが、テスト内容の不十分さや検証環境へリリース後、お客様からのご指摘で不具合を発見するなどの反省点もありました。
テストを行うための心構えとして備忘録的にまとめようと思います!

テストの目的と重要性

  • バグの早期発見と修正が可能
  • プログラマーの心理的安全性を保つ
  • 機能改修時の予期せぬエラーを防ぐ
  • コードの挙動理解を助ける

テストの考え方

  • FeatureとUnitに分けて管理することが多い
    * Feature(機能)テスト:
    ユーザー目線のテストです。
    より大きい範囲で行い、アプリケーションに求められる機能を確認します。
    * Unit(単体)テスト:
    プログラマ目線のテストです。
    より小さい範囲で行い、各パーツごとにエラーがないかを確認します。
  • ブラックボックステスト、ホワイトボックステストの目的を意識する
    * ブラックボックステスト:
    システムの外部から機能や仕様を検証します。
    システムが仕様通りに動作するか、画面レイアウトや使いやすさを評価することに重点を置きます。
    * ホワイトボックステスト:
    内部のコード構造や処理フローを検証します。
    内部ロジックのの正確性を評価します。

テストの作成

テストの作成から実行方法までLaravelを使用した方法でまとめようと思います。

  • テスト作成のコマンド:

    上記コマンドはFeatureテストとして作成されます。
    もしもUnitテストとして作る際は、オプションを付けましょう。


    * ファイル名は通常 ‘XxxxTest.php’ の形式を指定します。

テストケース名には必ず「test」と入れ、「test***」とテスト名と条件なども記載します。

テストコードの構造

テストコードは以下のような形をとります。

setUp や tearDown はテストケースの事前・事後処理を行います。
* setUp:事前処理(変数の初期化やデータの準備など)
* tearDown:事後処理(不要なデータの削除など)
* setUpやtearDownを書く際は、メソッドの戻りと指定 ‘: void’ も忘れずに書くことが必要です。

アサーションについて

プログラミングのデバッグやテストのために用いられる方法の1つです。
以下のような働きをします。

  • テスト結果を即座に確認できる
  • テストが意図した通りに動作したかを検証できる
  • テスト条件が妥当なデータかを判断できる
  • テストが失敗した要因を特定しやすい

アサーションメソッドは主に以下のようなものがあります。

  • assertTrue:実測値がtrueであることを期待
  • assertFalse:実測値がfalseであることを期待
  • assertEquals:実測値と予測値が一致することを期待
  • assertSame:実測値と予測値が型も含めて一致することを期待
  • assertEmpty:中身が空であることを期待
  • assertNotEmpty:中身が空でないことを期待
  • assetStatus:アクセス結果のステータスコードを確認
  • assertRedirest:アクセス後、どこにリダイレクトされるかを確認
  • assertSee:レスポンス内に特定の文字列が存在することを確認

テストの実行方法

  • 全てのテストを実行する場合
  • フォルダを指定してテストを実行する場合(例:フォルダ名tests/Feature)
  • ファイルを指定してテストを実行する場合(例:ファイル名ExampleTest.php)
  • メソッド名を指定してテストを実行する場合(例:メソッド名testExample)

テストコード作成のポイント

  1. テストメソッドは簡潔に保つ
    呼ばれるアサーションを条件分岐してしまうと、一貫したテスト結果が得られなくなる可能性があります。結果が数パターンある場合は、愚直にそのパターン数分テストを準備する必要があります。
  2. 必ず通るテストを書く(時間依存や確率的要素を避ける)
  3. ダミーデータは実際の内容に近い内容にする
    データはより正確な方が本番環境に近い挙動のテストを行うことができます。
  4. テスト対象となるロジックはシンプルにする
    複雑な条件になりそうな場合はメソッド化して対応します。そのほうがテストケースも少なくて済むことがあります。
    ロジックはネスト構造を複数持たないよう心掛け、アーリーリターンを設けるなど対応します。
  5. 3つのAを意識する
    〇 Arrange(準備):テストを行うにあたっての必要な準備段階のこと
    〇 Act(実行):準備したデータを元にアクションを起こすこと
    〇 Assert(検証):アクション後に期待する結果になっているか検証すること
    上記3つのAを意識してテストを行います。

以上がテストについての基本になります。
単体テストを適切に実施することで、コードの品質向上とメンテナンス性の改善につながります。
なかなか時間が十分にとれず、また、多数存在する条件の洗い出しもできないとシステムの品質を担保することは難しいです。
先日参加したPHPカンファレンスでもテストの重要性に触れ、テストを書く習慣をつけ、継続して改善、向上していくように意識するようになりました。
開発に時間がかかりがちですが、テストの時間も十分に設け、自分へのフィードバックも兼ねて今後も取り組んでいきたいと思います。
日々の取り組みを重ね、また理解が進んだ段階でアウトプットできればと思います!

2025年 新入社員ブログ 高田04 [郵便番号から住所自動入力機能]

こんにちは、2024年4月に入社した高田です。
社内研修の一環として、Laravelを使って会員登録フォームを作成しました。その中で、住所登録時に郵便番号から住所を自動入力する機能を実装することになり、対応方法をいくつか調べてみました。
調査の結果、いくつかの実装方法があることがわかりました。今回はその中から以下の2つの方法を選び、それぞれを実際に実装してみたので紹介したいと思います。

1. YubinBango.jsを使用する方法
2. Zipcloud APIを使用する方法

まず、実装の下準備として、郵便番号、市区町村、その他を入力するテキストボックス、および47都道府県を選択するプルダウンメニューを作成しました。以下にそのコードを記載します。

ブラウザで表示すると以下のようなフォームが表示されます。

方法1:YubinBango.js

YubinBango.jsは、郵便番号から住所を表示する機能を簡単に実装できるJavaScriptのライブラリです。使用方法は非常にシンプルで、指定されたclass属性をHTML要素に追加するだけで機能します。
実際に実装したコードは以下の通りです。

ライブラリを埋め込み、class属性を指定する事で実装することができました。
実際にブラウザで確認すると以下のように、郵便番号(例:1080073)を入力した段階で郵便番号以降の項目(都道府県、市区町村、その他)が自動入力されます。

方法2:Zipcloud API

Zipcloudは、日本郵便が提供する郵便番号検索APIです。入力された郵便番号に基づいて対応する住所情報(都道府県、市区町村、町域など)を取得するためのサービスです。無料で利用可能で、JSONP形式で住所データを取得できます。

以下のURLにアクセスしてください。

https://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search

ブラウザにはこのように表示されます。

続いて以下のURLにアクセスしてください。

https://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search?zipcode=7830060

先ほどの画面とは異なり、ブラウザには住所が表示されています。

「https://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search」は、APIにリクエストを送信するための特定のURLであり、エンドポイントと呼びます。クライアントは、エンドポイントに対してリクエストを送信します。リクエストはインターネットを通じて送られ、APIサーバーに届きます。リクエストを受け取ったAPIサーバーは、内容を解析し、必要なデータをデータベースから取得します。
APIサーバーは、取得したデータを整理し、JSON形式などでレスポンスを作成します。作成したレスポンスはクライアントに送られます。
クライアントは受け取ったデータを解析し、画面に表示します。

今回のように、エンドポイントに「?zipcode=7830060」というクエリパラメータ(リクエストに含まれる追加情報)を付け加えてリクエストを送信すると、郵便番号「7830060」に対応する住所データを取得できます。

Zipcloud APIを使用して、郵便番号から住所自動入力機能を作成すると以下のようなコードになります。

実装の流れは以下の4ステップで行われています。

1. 郵便番号の取得
ユーザーが郵便番号を入力すると、その値をjQueryで取得します。取得した郵便番号が7桁の時に次の処理が実行されます。

2. APIへのリクエスト
入力された郵便番号を基に、Zipcloud APIへリクエストを送信します。APIは指定した郵便番号に対応する住所データを返します。

3. レスポンスデータの解析
APIから返ってきたJSON形式のデータを解析し、都道府県、市区町村、その他の情報を取得します。

4. フォームへの値の反映
取得した住所データを、都道府県のプルダウンメニューや市区町村・その他の入力フィールドに設定します。

ZipCloud APIによる住所自動入力機能は、jQueryの基本的な構文の知識があれば実装可能です。

参考
郵便番号検索API – zipcloud
新卒エンジニアがWebAPIを超わかりやすく解説します #初心者 – Qiita
郵便番号の自動入力「YubinBango.js」の使い方と都道府県コードを使う方法 | 大阪のシステム開発なら 株式会社ウィズテクノロジー
【jQuery】郵便番号検索APIを使って住所を自動取得する(zipcloud) | eguweb(エグウェブ)
【Javascript】郵便番号から住所を自動入力する方法 #JavaScript – Qiita
【初心者向け】郵便番号で住所検索をする外部APIを叩く #JavaScript – Qiita
実践jQuery講座 Ajaxの実装方法 | Inoma Create

まとめ

2つの方法を実装しましたが、YubinBango.jsはとても実装が簡単でプログラミング初心者におすすめできます。Zipcloud APIはjQueryの知識が必須のため、jQueryの基本的な構造や書き方に慣れてから使う方がよいかもしれません。今後もAPIやライブラリをうまく使えるようにjQueryやAPIの仕組みなどしっかりと学んでいきたいと思います。

Docker Desktopを用いてLinux(Ubuntu)環境を作成しました。

こんにちは、2024年4月に入社した吉岡です。

Linuxの勉強のためVirtualBoxを用いた環境の構築を行ったことがありましたので、今回はDocker Desktopを用いてLinux(Ubuntu)環境構築を行いました。自分で実際に行った手順をブログにまとめました。

・使用したもの

Windows 11 Pro : 23H2
Docker Desktop 4.37.1 (178610)
Ubuntu 24.04.01 LTS

Docker Desktopインストール手順

1. 仮想化を有効にするために「Windowsの機能の有効化または無効化」を開き、「Linux用Windowsサブシステム」と「仮想化マシンプラットフォーム」を選択し、「ok」を押下する

2. 「Docker Desktop for Windows-86_64」をダウンロードする

Windows | Docker Docs

3. Docker DesktopInstaller.exeを起動する

4. デスクトップにショートカットを作成するか選択し、「OK」を押下する

5. インストールに成功したら「close」を押下する

6. Docker Desktopを起動する

7. サブスクリプションサービス同意画面で「accept」を押下する

8. DockerアカウントでサインインまたはDockerアカウントを作成する

9. Docker desktopにサインインすると、アンケート調査が表示されるので回答するまたは「skip」を押下する

10. Docker Desktopのホーム画面が表示されていることを確認する。

11. Windows Power Shellを開き、「docker version」と入力しEnterキーを押すとDockerのバージョン情報が表示されることを確認する。

12. Windows Power Shellを開き、「wsl -l -v」と入力しPCのEnterキーを押すとdocker-desktopが起動している。

仮想化コンテナの作成および実行手順

1. Windows Power Shellを開き、任意のディレクトリに移動する。

2. 任意のUbuntuのDocker imageを取得するために、「Copy」を押下しコマンドを取得する。

*以下の例では、Ubuntu 24.04 LTSを使用する。

ubuntu – Official Image | Docker Hub

3. Windows Power Shellでコピーしたコマンドを入力し、PCのEnterキーを押下し、UbuntuのDocker Imageをダウンロードする。

4. Windows Power shellで「docker images」と入力し、Enterキーを押下してでDocker Imageを取得できたことを確認する。

*Docker Desktopでも確認可能

5. コンテナを作成および実行するために「docker run -it -d –name 任意のコンテナ名 任意のDocker image名」を入力し、PCのEnterキーを押下する。

*以下の例では、コンテナ名「MyUbuntuContainer」、基となるDocker Image「ubuntu:24.04」

6. 「docker ps -a」と入力し、コンテナ作成および実行後を確認する。

*Docker Desktopでも確認可能

7. 実行したコンテナ内に入るために「docker exec -itコンテナ名 bash」と入力し、PCのEnterを押下する。

8. 動いているUbuntuのバージョンを確認するために「cat /etc/issue」と入力し、PCのEnterを押下する

9. コンテナ内部から抜け出すため、「exit」と入力し、PCのEnterキーを押下する。

10. 実行したコンテナの「docker stop コンテナ名」を入力し、コンテナを停止させる。

11. 「docker ps -a」と入力し、コンテナが停止していることを確認する。

*Docker Desktopでも確認可能

参考:

Windows | Docker Docs

ubuntu – Official Image | Docker Hub

LPIC試験について

こんにちは、2024年4月に入社した吉岡です。

私は社内研修で登録フォームの作成に取り組んできましたが、開発環境の構築を行う上でLinuxについての知識や触れる機会が不足していることを強く感じました。Linuxについての知識を体系的に深めるために、Linuxの試験であるLPIC-1 101試験(Ver5.0)の公式テキストに取り組みました。

今回の記事を通して、LPIC試験の概要とLPIC-1(101試験)の試験範囲や難易度および実際に学習した感想をお伝えします。

LPICとは

LPICは国際基準で認定されたLinux技術者認定資格であり、要求されるスキルレベルLPIC-1からLPIC-3までの3段階が設定されており、下位のレベルから受験していくことになります。ベンダー資格ではないのでLinuxの汎用的な知識について出題されます。

LinuCとの違い

Linucとは日本独自のLinux技術者認定資格であり、LPICをベースに日本市場で求められるスキルを基準に策定されています。要求されるスキルレベル1からレベル3、システムアーキテクチャの4段階が設定されています。

自分はまずLinuxの全体構造について知識を深めたかったので、LPICの方に取り組みました。

LPIC-1とは

LPICの最もやさしいとされる試験で、特にサーバーエンジニアやインフラエンジニアにとってメジャーな資格とされています。取得には101試験と102試験の2つを合格する必要があり、片方に合格してから5年以内にもう片方の試験を合格する必要があります。

LPIC-1(101)試験とは

試験時間は90分で、出題数は60問です。合格点は500点ですが、点数計算は正解率や問題の難易度によって1問の得点が決まるため、何問正解すれば合格できるかはテストの回によって変動します。

試験範囲は、システムアーキテクチャ、GNUとUnixコマンド、デバイス・Linuxファイルシステム・ファイルシステム階層標準です。102試験とは出題範囲が異なりますが、難易度としては同じくらいとされています。

勉強してみた感想

公式のテキストが500ページ近くあったのでとても大変でした。コツコツ勉強していき3,4か月掛けてテキストを一周したのですが、過去問を解いてみると知識があいまいなだったり抜けていたりするが箇所が多かったです。LPIC-1の資格取得はまだまだ遠いですが、学習前よりもLinuxに対しての親しみやすさを感じられようになったので取り組んでみてよかったです。また、Linucのレベル1だと仮想化やコンテナなどについても試験範囲になるそうなので、そちらについても勉強してみたいと思います。

参考:

LPI: 公式サイト

LPIC-1 Exam 101 学習テキスト

LPI :よくある質問

VirtualBoxを用いてLinux(Ubuntu)環境を作成しました

2024年4月に入社した吉岡です。

社内研修で登録フォームの作成に取り組んできましたが、開発環境の構築を行う上でLinuxについての知識や触れる機会が不足していることを強く感じました。Linuxに触れる機会を増やすために、VirtualBoxの仮想化技術を用いてLinux(Ubuntu)環境の構築しました。自分で実際に行った手順をブログにまとめました。

・使用したもの

Windows 11 Pro : 23H2

Oracle VM VirtualBox : 7.0.22 

Ubuntu: Ubuntu Desktop : 24.04.1 LTS

VirtualBoxインストール手順

1. Oracle VM VirtualBoxマネージャーのインストーラーをダウンロードする

Oracle VM VirtualBox – ダウンロード| Oracle Technology Network | オラクル | Oracle 日本

2. インストーラーを実行する

3.セットアップ画面が表示されるので「Next >」を押下する

4. カスタムセットアップ画面でインストールする機能とインストールするディレクトリを選択し、「Next >」を押下する

5. 一時的にネットワークから切り離される警告が表示されるので、「Next >」を押下する

6. 4でVirtualBox Python Supportをインストールする機能に含めた場合、Pythonとpywin32をインストールしていないとインストールするかどうかの確認文が表示される。

Pythonとpywin32インストールする場合は「Yes」を押下し、インストールしない場合は「No」を押下する。

*VirtualBox Python Supportは、APIでVirtualBoxを制御する機能

7. カスタムセットアップ画面でオプション機能を選択し、「Next >」を押下する。

8. 確認画面が表示されるので、現在までのセットアップでよい場合は「Install」を押下し、セットアップを変更したい場合は変更したい場所まで「Back >」を押下し変更する。

9. インストール完了画面でOracle VM VirtualBoxを起動するかにチェック入れて、「Finish」を押下する

10. Oracle VM VirtualBoxマネージャーが起動できることを確認する

〇仮想マシンを作成手順

1. 任意のISOイメージをダウンロードする。

以下の例では、Ubuntu Desktop 24.04.1 LTS を用いて説明します。

Ubuntuを入手する | Ubuntu | Ubuntu

2. ISOイメージがダウンロードできたことを確認する

3. Oracle VM VirtualBoxを起動する

4. 新規作成を選択する

5. 仮想マシン名を入力・タイプでLinuxを選択・バージョンでUbuntu(64bit)を選択する。「自動インストールをしない」を選択し、「次へ(N)」を押下する。

6. 仮想マシンのメインメモリとプロセッサー数を選択し、「EFIを有効にする」を選択し、「次へ(N)」を押下する。

*以下の例ではUbuntu Desktop 24.04.1 LTSの推奨システムである、メインメモリ4G(2096MB)とデュアルコア以上(プロセッサ数2つ以上)に設定します。

8. 仮想マシンの仮想ハードディスクのセットアップ方法を3つから選択する。

(1) 新規に仮想ハードディスクファイルを作成する場合

「仮想ハードディスクを作成する(C)」を選択し、ハードディスク容量を選択し、事前割り当てを行うか否かを選択する。

(2) 既存の仮想ハードディスクファイルを追加する場合

「すでにあるハードディスクファイルを使用する(S)」を選択し、追加する仮想ハードディスクファイルを選択する。

(3) 仮想ハードディスクファイルを追加しない場合

「仮想ハードディスクを使用しない(D)」を選択する。仮想ハードディスク設定を選択したら「次へ(N)」を選択する。

*以下の例ではUbuntu Desktop 24.04.1 LTSの推奨システムである、空きハードドライブディスク25GB以上に設定します。

9. 仮想マシンの設定の要約画面が表示されるので、このまま作成する場合は「完了(F)」を押下し、セットアップを変更したい場合は変更したい場所まで「戻る(B)」を押下し変更する。仮想マシンの作成をキャンセルしたい場合は「キャンセル(C)」を押下する。

10. 作成された仮想マシンが作成されたことを確認する。

仮想マシンの起動手順

1. 作成された仮想マシンを選択し、「起動(T)」を押下する。

2. メニュー画面が表示されるので「Try to Install Ubuntu」を押下し、インストール完了まで待つ。

3. インストール完了後、中央下部のアイコンを押下する。

4. 使用言語を選択し、「次」を押下する。

5. Ubuntuのアクセシビリティを設定し、「次」を押下する。

6. キーボードのレイアウトを選択し、「次」を押下する。

7. インターネットの接続法を選択し、「次」を押下する。

8. 「Ubuntuをインストール」を選択し、「次」を押下する。

9. 「対話式インストール」を選択し、「次」を押下する。

10. 開始時にインストールするアプリケーションを選択し、「次」を押下する。

11. コンピュータを最適化に関するソフトウェアをダウンロードする場合は選択し、「次」を押下する。

12. Ubuntuをインストールするディスクのセットアップ方法を選択し、「次」を押下する。

13. Ubuntuのアカウント名・コンピュータ名・ユーザー名・パスワードを入力する。

14. ログイン時にパスワードの有無とアクティブディレクトリの使用の有無を選択し、「次」を押下する。

15. タイムゾーンを選択し、「次」を押下する。

16. 確認画面が表示されるので、現在までのセットアップでよい場合は「インストール」を押下し、セットアップを変更したい場合は変更したい場所まで「戻る」を押下し変更する。

17. インストールが完了するまで待つ。

18. インストール完了後、「今すぐ再起動」を押下する。

19. PCのEnterボタンを押下する。

20. 作成したユーザー名を選択し、パスワードを入力し、PCのEnterボタンを押下する。

21. ログインに成功すると追加のセットアップ画面が表示されるので、「次へ(N)」を押下する。

22. Ubuntu Proを適用するか否か選択し、「次へ(N)」を押下する。

23. Ubuntuのシステムデータを共有するかどうか選択し、「次へ(N)」を押下する。

24. アプリケーションを追加する場合はアプリセンターを押下して任意のアプリケーションを導入し、追加しない場合は「完了(F)」を押下する。

25. 追加のセットアップが完了すると、ホーム画面が表示される。

・参考

Oracle VM VirtualBox User Guide for Release 7.0

Ubuntu | Ubuntu

(Oracle VM VirtualBox – ダウンロード| Oracle Technology Network | オラクル | Oracle 日本)

福岡生成AI 活用Meetupに行ってきました!

こんにちは。22年度入社の中島です。

2024/12/9(土)に福岡で開催された福岡生成AI 活用Meetup Vol.3に参加しました。カンファレンスや勉強会は前回参加したPHPカンファレンスのみだったので、どのようなイベントだったか簡単に紹介できればと思います。

福岡生成AI 活用Meetupとは

福岡生成AI 活用Meetupは、生成AIツールに焦点を当てその多様な可能性を探る集まりです。今回は3回目の開催で、Dify、v0、napkinなど、様々な生成AIプラットフォームの活用事例などといっしょに紹介するイベントでした。生成AIに興味はあるけど、具体的な活用方法がわからない方、先進的なAI技術のトレンドをキャッチアップしたい方、ビジネスへの応用例を学べる方にオススメのコミュニティです。

セミナーの規模と会場の雰囲気

会場は福岡ファッションビルの8階にあるGMOペパボ株式会社 福岡支社さんのオフィスの一角を借りて行われました。参加人数はスタッフ合わせて約20人ほどだったかと思います。会場の雰囲気も前回のPHPカンファレンスの時のように、全体的に明るく和気あいあいとした雰囲気でした。

印象に残ったセッションとその内容

・コミュニティを活用した生成AIの組織定着

さまざまな生成AIが普及しているけれど、会社や仕事でAIを使う人はまだ少ない…効率化を図るために会社や仕事で生成AIを使う人を増やすためにはどうすべきかをテーマにしていました。このセッションでの結論は『学び続けられる教材(生成AIに入力する素材や議題)』と『教えられる人材』を増やすことで生成AIを使う人を増やし、効率を向上させるという内容でした。生成AIを使う人とそれを広める人を増やす方法をお話しされていて、生成AIの知識があまりない私にもわかりやすいセッションでした。

・生成AI時代のプロダクト開発と東洋思想──関係性・空・有機的生成

深層学習やLLM、マルチモーダルな生成AI等が驚くような速さで進歩している昨今、主に西洋近代的な考え方に基づいて、合理性や効率、コントロールを重視する考え方で行う開発手法や評価基準が進められています。このセッションでは『生成AIの時代におけるプロダクト開発を、東洋思想という視点から考え直す』をテーマにしていました。あえて東洋思想という別の視点から見ることで、生成AIを巡るイノベーションは、単なる問題解決や市場拡大にとどまらず、人・社会・文化・自然が交響し合う豊かな「場」を生み出せる可能性があることを提示されていました。福岡という土地柄で生成AIをやる意義を考えたときに、 西洋思想だけではなく、東洋思想を元にプロダクト開発を行っていきたいという発表でした。「誰でも理解できるように」を中心に作る西洋思想と、「自分の心の中」を中心に作る東洋思想という考え方がとても印象に残ったセッションでした。

感想

今回、生成AIを勉強中のなか参加したのですが、AIエージェントのセッションでは、実際にAIを活用して自律エージェントの仕組みを使ったサービスの発表や、AI開発ツール Difyを使ったAIエージェントのデモなどがあり、趣味でAIを使うだけでなくビジネスへの応用例を学べることができ、とても良い時間を過ごすことができました。

今回のMeetupを通じて得た知識や経験を、今後の業務に活かせるように生成AIについての学習や調査、実際に使用して作成などしていきたいと思います。

今回はここまで
最後までご覧いただきありがとうございました!

2024年 新入社員ブログ 高田03 [jQuery UI カレンダー機能実装]

こんにちは、2024年4月に入社した高田です。
7月から社内研修で、
・フレームワークを使用しない会員登録フォーム
・フレームワーク(Laravel)を使用した会員登録フォーム
の実装を行ってきました。
どちらの会員登録フォームも会員登録時の入力項目は同じですが、
フレームワークを使用しない会員登録フォームでは、生年月日をinput要素のtype=”date”入力型で実装し、Laravelを使用した会員登録フォームでは、デザイン性・カスタマイズ性を重視しjQuery UIのカレンダーで実装しました。

2つの方法で生年月日のフォームを実装してみて、
jQuery UIを使用したカレンダーは、input要素のtype=”date”入力型のカレンダーと比べ、
・高度なカスタマイズ性
・ローカライズ対応
といった点で優れていると感じました。

特にカレンダーの表示に関するオプションは豊富で、細かな設定ができると知っておくだけでも設計・実装の幅が広がると感じました。
そこで今回は、jQuery UIを使用したカレンダーの導入方法と実装方法について紹介したいと思います。
私が実際に作成したものがこちらになります。

画像1 生年月日選択中カレンダー表示

画像2 生年月日選択後

年月日のテキストボックスを選択するとカレンダーが表示されます(画像1)。
カレンダー上の日付を押下するとテキストボックスに年月日が入ります(画像2)。
カレンダーは記事作成日時である今日(2024/12/06)までの日付が選択できるようになっています。

[実装方法]

1. jQuery UIをダウンロード

jQuery UIを使用するためには、jQuery UIとそれに依存するjQuery自体を利用可能な状態にする必要があります。jQueryとjQuery UIには、CDN形式とダウンロード形式の2種類の利用方法があります。
CDN形式は、提供元のサーバーからライブラリを直接読み込む方法で、設定が簡単というメリットがあります。ただし、提供元のサービスが停止した場合に影響を受けるリスクがあります。
ダウンロード形式は、ライブラリをローカル環境に保存して利用する方法で、外部サービスに依存せず安定して利用できるという安心感があります。
今回は安定性を重視し、ダウンロード形式を選びました。

実際に公式サイトよりjQueryjQuery UIそれぞれダウンロードしました。

必要なファイルをフォルダに配置し、それらを読み込む設定を行います。LaravelのBladeテンプレートでは、ファイルのパスを指定する際にasset関数を使用します。Laravelのasset関数は、アプリケーションのpublicディレクトリを基準としたパスを生成するため、プロジェクト内でのファイル管理が簡単になります。以下のように配置しました。

これで、jQuery 、jQuery UIを使用する準備が完了しました。

参考: 【初心者向け】jQueryはじめの一歩 #JavaScript – Qiita

2. inputタグへの設定

ダウンロードが完了後、jQuery UIの日本語リファレンス(Datepicker | jQuery UI 1.10 日本語リファレンス | js STUDIO)を参考にしながら、「年・月メニュー表示」のカレンダーを実装していきます。リファレンスの「年・月メニュー表示」のソースコードは以下のようになっています。

HTMLでは、<input>タグにid=”datepicker”が指定されており、このidを基にjQuery UIのdatepicker機能を適用してカレンダーを表示します。jQueryでは、指定したidを用いて要素を選択し、その要素に対してdatepickerメソッドを適用することで、簡単にカレンダー機能を追加できます。また、オプションを設定することで、月や年を選択できるプルダウンメニューを表示し、カレンダーの挙動を柔軟にカスタマイズすることが可能です。なお、idは任意の値に変更でき、<script>タグ部分はそのまま利用することで簡単にカレンダーを作成することができます。以下に実際のコード例を示します。

この状態で画面を見ると、以下の画像のように年と月をドロップダウンで選択できるカレンダーが表示されます。

この状態でもカレンダーは十分に機能し、日付を選択することができます。しかし、さらに使いやすくするためにいくつかのカスタマイズを行います。

3. 使いやすいようにカスタマイズ

ステップ2で実装したカレンダーには、以下の2つの課題があります。
・月や曜日が日本語表記ではない
・生年月日用のカレンダーにも関わらず、今日以降の日付が選択できる
これらの課題を解決していきます。

・月や曜日が日本語表記ではない

datepickerの日本語化データはGitHubで利用できます。
下記のページを開いて(datepicker-ja.js)ダウンロードします。

GitHub:  jquery-ui/ui/i18n at main · jquery/jquery-ui · GitHub

ダウンロード後、必要なファイルをフォルダに配置し、ファイルで読み込みを行います。

これだけで日本語化することができます。

・生年月日用のカレンダーにも関わらず、今日以降の日付が選択できる

この問題はオプションを設定することで解決することができます。JavaScriptで日付と年を取得し、それを基に maxDate オプションで選択可能な最大日付を今日に設定を行います。また、年の範囲も1900年から現在の年までに制限します。

続いてyearRange オプションを使って1900年から2024年(今年)まで選択可能状態に、maxDate オプションで選択可能な最大日付を今日に設定を行います。
以下が実際のコードになります。

JavaScriptのテンプレートリテラルを使用し${}を使って変数や式を埋め込むことで、取得したcurrentYearを範囲指定に利用しています。この方法により、yearRangeオプションが常に動的に現在の年に対応し、毎年手動で更新する必要がなくなります。

さらに、maxDate オプションでtoday を設定することで、カレンダー上で今日以降の日付が選択できなくなります。以下の画像は2024/12/06に実装・確認したもので、2024/12/07以降の日付は選択不可になっていることが分かります。

[まとめ]

jQuery UIを使うことで、手間をかけずに高機能なカレンダーを実装できたのは非常に良かったです。使い方がシンプルで、公式ドキュメントや日本語リファレンスも分かりやすく、初めて触れる初心者でも短時間で機能を実装できる点が優れていると感じました。また、柔軟なカスタマイズが可能であり、要件に応じた細かい調整がしやすいのも魅力です。例えば、カレンダーの日本語対応や選択可能な日付の範囲指定など、よくあるカレンダーの仕様にも簡単に対応できました。今後、実装する要件に応じて適切なライブラリやフレームワークを選択し、それを効率的に活用できるスキルを身につけていきたいです。